固定型EPUBを簡単につくれるツールをつくってみた。
電車の中で電子書籍を読む人が心なしか増えた気がする今日このごろ、みなさまいかがお過ごしでしょうか?久しぶりのブログ更新ですが、私は変わらず電子書籍に関わる日々をすごしております。
今回は「手軽に固定型(フィックス型)EPUBを生成するツール」の紹介です。自身のプログラミング習得を兼ねて自作したツールです。
マンガの電子書籍に広く使われている固定型EPUB、その作成用ツールは既に多くが用意されていますが、今回自作するにあたっては、より直感的な操作が可能なツールになるよう工夫しました。
3種データを用意する→ドラッグアンドドロップ→完成
1:必要な3種のデータを用意します。
1)画像ファイル
2)書誌ファイル
タイトル、著者、出版社名などを入力した書誌情報ファイルをCSV形式で用意します。エクセルを使うと簡単に作れます(.xlsxファイルなどと同じように、入力項目をセルで扱えます)。Excelがなければテキストエディタでも作成できます。
3)目次ファイル
目次項目と該当ページ番号を入力した書誌情報ファイルをCSV形式で用意します。今回は書籍内に明記されている目次項目とそのノンブルをもとにファイルを作成しました。
2:ツールでEPUBファイルを書き出す。
ツールを起動し、先に用意した「画像フォルダ」「書誌CSVファイル」「目次CSVファイル」を、順にドラッグアンドドロップしていくとEPUBファイルが作成されます。
上記の作業のデモ動画も用意したので興味のある方はぜひご覧ください。
使い方。そのシーン。
今回作ったツールは、以下の様な使い方に向いているかも、です。
パソコン操作に詳しくないひとがEPUBを作る
以前アルバイトの方の手を借りてEPUB制作をしたことがありますが、一番苦心たのがヒューマンエラー対策でした。どんなに気をつけても入力ミスはおきますし、PC操作に慣れていない人ほど誤入力や操作ミスが多く、そのチェックと修正には多くの時間が掛かります。本ツールではドラッグアンドドロップで項目を一括入力することで、人為的ミスの原因を減らすように工夫しました。
作業分担してEPUBを作る
本ツールは、書誌や目次の情報を外部ファイル(CSVファイル)で読み込みます。これにより「書誌なら書誌の作成だけ」「目次なら目次の作成だけ」「EPUBの書き出しなら書き出しだけ」といった作業分担をしやすくなります。また書誌や目次の文字校正は、EPUBファイル自体にではなくCSVファイルに対して行えば良いので、校正と制作の並行作業が容易です。
まとめ
大量のフィックス型EPUBを統一されたルールで効率的に制作したいケースに結構使えると思います。某事業のときにこのツールを作るスキルが自分にあればよかったのですけどね…*4。ご興味ある方には無料で差し上げますのでご連絡ください。
・フォームからのご連絡はこちらへ。
・Twitterからでもどうぞ。
Windowsで動きます。(Windows7の32bitと64bitで動作検証済)
*1:利用は私的範囲内で。スキャンデータを他者に渡すのは法的にNGです。
*2:本記事のEPUB作例内で引用させていただいたのはこちらに該当するデータです。(引用元:漫画 on web http://mangaonweb.com/ タイトル:ブラックジャックによろしく 著作者名:佐藤秀峰 )
*3:違法データの利用はダメゼッタイ。
*4:当時の経験がこうしてツールづくりに活かされているのだから、まあ良かったのかも。プログラミングに取り組むきっかけにもなったわけですしね。